第63号 翻訳に熱中症?ですか?


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バベル翻訳大学院(USA) Alumni News Letter 
第63号  2018年9月11日発行

このニューズレターは、バベル翻訳大学院(USA)のAlumni Serviceより、
院生・修了生の方々にお送りしております。

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発行:毎月7日、22日
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<<<目次>>>
【1】 TPT 第204号から 注目記事 [巻頭言]
【2】 TPT 第204号から 注目記事 [Alumni編集室から]
【3】 日本翻訳協会からのお知らせ

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【1】 TPT 第204号から 注目記事 [巻頭言]
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「翻訳に熱中症?ですか?」
 BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 皆様いかがお過ごしようか?【 翻訳に熱中症?】ですか? 
相変わらずの猛暑の日々、暑中お見舞い申し上げます。

このように言っております私は、もう四十年余り、「翻訳に熱中症!」です。(笑)
このマガジンの読者は、世界各地にお住まいなので、気候の挨拶の時、いつも
考えてしまいます。地球全域に共通する気候というものは無いので、自分が
住んでいる地域の気候についての表現とならざるをえないのですが、こういう
地球ならではの悩み方も面白いですね。

 一口に悩みといっても、本当にいろいろな面を持っています。人それぞれ、
日頃の自分の意識の向かい方によって、悩み方が異なります。日本語を書いてる
とき、このような体験をされることが多いのではないでしょうか?このように、多面的、
多視野的な側面を、似た音の表現でたくさんの語彙を持っている言語種はそう
多くないのではと思います。

 日本語は、言葉遊びといいますか、同音異議語のもつニュアンスの違いを
使い分けることによる表現の多様性を意識することを尊ぶ言語だと言えますが、
言葉遊びの宝庫だとも言えるように思います。それが、外国語と日本語間の
翻訳を難しくしている原因の一つでもありますね。外国語間との翻訳の場合
ばかりでなく、日本語表現そのものも、表現をより簡略化したり、より複雑に
表現したりしてみる、などということを考えてみると、表現の多様性を内包する
言語種の極みであると言えます。

 規則性、決まり文句、それはそれなりにあるのですが、たった一音で真逆の
表現になってしまうなど、なかなか油断できない言語、扱いにくい言語種で
あると言えますね。このような日本語にどっぷりとはまっていると、規則性の
強い言語種との翻訳は、結構、難しいのだろうな?と、想像がつきますね。

 現代は兎角AIを活用していろいろ代替できないだろうか?というように、
楽して生きようという時代の趨勢ですから、「翻訳」もその影響下にあり、
グーグル翻訳に代表されるように、いろんなAI翻訳ソフトが育てられています。
EUは今や崩壊のタイミングにありますが、EUはある意味、多様な言語種間の
翻訳の試みであったと言えます。EU内での取り決めを加盟国の諸地域内への
通知連絡は、EU加盟国の数だけ翻訳が必要であり、そのための機械翻訳の
研究が加速されたのかしら?とも、思ったりします。 ……

※続きはこちらから:http://e-trans.d2.r-cms.jp/kantou2/

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【2】 TPT 第204号から 注目記事 [Alumni編集室から]
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今、偉大なる‘翻訳者’、福澤諭吉が生きていれば?
 バベル翻訳専門職大学院(USA)  副学長 堀田都茂樹

「学問のすすめ」
天は人の上に人を造らず、人の下に人をつくらず、と云えり。

人は生まれながら平等であると言われているが、
現実には大きな差がある。それはなぜであろうか。
その理由は、学んだか学ばなかったかによるものである。
学問を身につけ、自分の役割を果たし独立すべき。
自由とわがままは異なる。学問とはその分限を知ることである。
自分の行いを正し、学問を志し、知識を広め、各自の立場に応じて
才能と人格を磨き、外国と対等に付き合い、日本の独立と平和を
守ることが急務である。

 福澤諭吉の「学問のすすめ」は、明治維新の5年後、
1872~76年に書かれています。人口が3500万人の当時、
340万部も売れた驚異のベストセラー、今日で言えば、日本の人口が
1億2千万人であるとすると、なんと1200万部ということになります。

 当時の日本は明治維新を経て、言わば強制的に鎖国を解かれ、本格的な
グローバル社会へ突入した、まさに激動期、社会、国家革命を目前にした時です。

 この本は、まさに新しい時代を拓く指南書として多くの日本人が貪り読んだ本
でした。

 従って、「学問のすすめ」は単なる個人の能力至上主義を唱えたものではなく、
個人の社会的あり方、役割を説いたもので、個人が自立するなかで国家自体の
繁栄が成し遂げられる事を説いています。これが独立自尊。

 今という時代の課題を考えると、当時、日本が直面していた難題と不思議と
符合すると言われます。

・グローバル化の波が押し寄せ、右往左往する主体性を欠く日本
・近隣諸国が謂れなき侵略意図をほのめかし、
・国は長期の財政赤字で破綻寸前
・政府は企業優先、庶民を顧みない
・社会制度の崩壊、遅々として進まない構造改革

等々の状況を見ても、当時、福澤が指摘すると同様、今こそ、次の時代への明確な
展望を持つべきときに来ていると思います。国に依存せずに、個々が自らできることを
自覚するときにあると考えます。

そんな時代に福澤諭吉が唱えたのが 「実学のすすめ」 。

ここで私は、時代意識を転換する新しい視点として、優れて実践的な学であるべき
翻訳、日本の世界における新たな役割を示唆する「翻訳のすすめ」、いや
『日本発信のすすめ』を今こそ皆さんとともに考えていきたいと考えます。

世界がボーダレス一つになる中、各々の言語を生かしつつ、情報の共有化を図り、
世界を融和、相互発展させるには『 翻訳 』は欠かせない方法論と考えます。
日本は‘翻訳立国’と言われて久しいにも係わらず、国家レベルの施策において
翻訳の占める位置付けはあまりにも低いとしか言いようがありません。細やかな
コミュニケーションスタイルをもつ日本人の特性を持ってすれば、多・双方向翻訳で
『翻訳再立国』を果たし、東西、南北の橋渡しとなり、日本と世界との情報
格差を無くし、その‘多・双方向翻訳力’を持って世界に貢献するという図式も
あながち夢物語ではないと考えます。

 そのために、バベルは翻訳大学院を2000年に設立しましたが、翻訳高等
教育の在りかたにとどまらず、国家レベルの施策としての『 翻訳ナショナリズム の
構築』をめざしたいと思います。

 日本は明治維新以来、福沢諭吉をはじめ、西周、中江兆民をはじめ多くの
啓蒙家が、西欧の文化、文物を‘和魂洋才’を念頭に急速に取り入れ、国家の
近代化を果たしてきました。これは、換言すれば、‘翻訳’を通して当時の西欧の
先進文化、文明を移入してきたと言えます。俗に、‘翻訳立国―日本’と
言われる所以です。

 六世紀から七世紀にかけて中国文化を移入したときには大和言葉と漢語を
組み合わせて翻訳語を創り、明治維新以降は西欧の人文科学、社会科学等の
それまで日本にはなかった抽象概念を翻訳語として生み出してきました。
societyが社会、  justiceが正義、truthが心理、reasonが理性、その他、
良心、主観、体制、構造、弁証法、疎外、実存、危機、等々、これらの
翻訳語は現在のわたしたちには何の違和感もなくなじんできているのは
承知の通りです。

 翻って、この‘翻訳’の現代に占める社会的位置は、と考えてみると、
不思議なくらい、その存在感が読み取れません。

 もちろん、巷では、翻訳書を読み、政府、また企業でも多くの予算を翻訳に
割いています。また、ドストエフスキー、トーマス・マンをはじめ、世界中の古典文学を
何の不自由もなく親しめる環境があるのも事実です。また、将来を展望しても、
ITテクノロジーによる更なるボーダレス化を考えても翻訳は計り知れない
ビジネスボリュームを抱えています。

 一説には、一般企業が年間に外注する翻訳量は金額に換算して、2000億円
市場とも言われます。これに、政府関係、出版関係(デジタルを含む)、更にアニメ、
マンガといったコンテンツ産業関連を加算すれば、優に、一兆円を越える市場規模に
なると言われます。

 とすると、過去は言うに及ばず、今後、日本のビジネス取引、文化形成における
‘翻訳’の役割は、想像以上に大きいと言わざるを得ません。そうした認識をふまえ、
現状の日本の‘翻訳’の在るべきかたちを見直し、受信型翻訳から発信型翻訳へ
シフトし、西と東の融合に大きなきっかけを提示できればと考えます。

今、偉大なる翻訳者、福澤諭吉が生きていれば???

かれは豪放磊落にこう言ったかもしれません。

『 一身独立すれば一家が独立し一国が独立する。一人ひとりがその目で世界を
観て、世界の中で日本の果たすべき役割を考えよ。日本はその深く、細やかな
コミュニケーション力をもって世界の融和に果たせる力量を備えているということは
誰しも否定しないであろう。まずは大志を抱き一人ひとりが行動してみよう。

やってもみないで事の成否を疑うな! 』と。

更に、福澤諭吉は、翻訳者はどうあるべきかを問われて、こう言うかもしれません。

『行動する翻訳者たれ!!

その目で、その五感で良きものを見極め、それを己の文化に取り込み、更に己の文化を
掘り下げこれを世界に伝えよ!そして、東西の半ばに立ち、東西文化、東西文明の
融合に尽力せよ!!』と。

次回は、本年5月に刊行された小浜逸郎著「福澤諭吉 しなやかな日本精神」を参考に、
今、福澤諭吉に学ぶべきこと、誤解の多い諭吉の本質に迫り、決して旧くなっていない、
むしろ今こそ学ぶべき諭吉の思想を紹介します。

※全文はこちらから:http://e-trans.d2.r-cms.jp/alumni2/

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【3】日本翻訳協会からのお知らせ
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一般社団法人 日本翻訳協会  試験のご案内
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☆★☆日本翻訳協会の認定校のバベル翻訳大学院USA 修了生の方は
    2018年10月実施の各試験を受験料\3,000にて受験頂けます!! ☆★☆
(一般受験料:\5,400から)

*試験のお申し込みの際には必ず、
バベル翻訳大学院(USA)の「修了年度と専攻」を受験申請書の
「備考」欄に記載して下さい。
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<2018年10月20日実施>

1.第15回 翻訳プロジェクト・マネージャー資格上級試験
実施日:2018年10月20日(土)10:00~13:00(日本時間)
締切り:2018年10月16日(火)(日本時間)
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_tpm_2.html

2.「出版翻訳能力検定試験」
実施日:2018年10月20日(土)10:00~13:00(日本時間)
締切り:2018年10月16日(火)(日本時間)
1) 第20回 ヤングアダルト・児童書翻訳能力検定試験 
2) 第19回 エンターテインメント小説翻訳能力検定試験
3) 第14回 ロマンス小説翻訳能力検定試験 
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_publication_exam.html
 
3.ビジネス翻訳能力検定試験
実施日:2018年10月20日(土)10:00~12:00(日本時間)
締切り:2018年10月16日(火)(日本時間)
1) 第26回 医学・薬学翻訳能力検定試験(英日・日英)
2) 第26回 特許翻訳能力検定試験(英日・日英)
3) 第18回【日英】医学・薬学翻訳能力検定試験
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_business_exam-2.html

4.第17回フランス語翻訳能力検定試験
◆ノンフィクション分野
実施日:2018年10月20日(土) 10:00~13:00(日本時間)
締切り:2018年10月16日(火)(日本時間)
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_french_translation_exam.html

5.第17回 ドイツ語翻訳能力検定試験
◆ノンフィクション分野
実施日:2018年10月20日(土) 10:00~13:00(日本時間)
締切り:2018年10月16日(火)(日本時間)
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_german_translation_exam.html

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2018年9月11日発行 バベル翻訳大学院(USA) Alumni Service

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