第65号 今、翻訳出版が熱いです!!


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バベル翻訳大学院(USA) Alumni News Letter 
第65号  2018年10月9日発行

このニューズレターは、バベル翻訳大学院(USA)のAlumni Serviceより、
院生・修了生の方々にお送りしております。

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発行:毎月7日、22日
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<<<目次>>>
【1】 TPT 第206号から 注目記事 [巻頭言]
【2】 TPT 第206号から 注目記事 [Alumni編集室から]
【3】 日本翻訳協会からのお知らせ

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【1】 TPT 第206号から 注目記事 [巻頭言]
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「 今、翻訳出版が熱いです!! 」
 BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 「翻訳に熱中症の皆様、台風21号の影響はいかがだったでしょうか?お見舞い申し上げます。」
この台風21号は風力・風速、暴風雨圏の広さや、すごさは何十年ぶり!と言われるほど
大型の台風だったようですが、台風の通路となった地域ばかりでなくかなり広範囲にわたって、
川の氾濫や洪水、屋根瓦やトタン板などいろんなものが吹き飛んだほか、その通過経路も
従来と違うという、大変な台風でした。

色々な意味で、従来の観念、既成の概念が崩壊していく過程にある、と思います。
それは、確かに大変なとき、過酷な状況に出くわすときがあるかもしれませんが、
そもそも、何が大変なのか、何が過酷なのかと考えていけば、それは尺度の問題で
あり、人によって、考え方によって受け取り方は異なる、ということを考えさせられます。
今起きていることは、50年振り、とか、100年振りとかというかなり長いスパンの
出来事のようなのですね。ここ数年は起きないから大丈夫!だということで川を
堰き止めたら、大雨が降って洪水となった!というような感じです。

大自然の変化のスパンは、私たちのような短いスパンの変化、サイクルではないのですね。
日本人は、幸いにしてこの日本列島という国土に、縄文時代から続く、1万年近い
永住種族だと言えるのではないかと思いますが、それは、縄文人が農耕ではなく、
森と共に森という衣・食・住環境の中で生きてきた数千年以上の積み重ねがあり、
それにより森が守られてきたことにも起因していると思います。狩猟採取の移動生活に
よって、森と人とが協同生活を行ってきたのです。勿論、そのサイクルの還流は、
水、つまり海と山を行き来する水の流れ、活動でもあるのです。

ところが現代では、自然を支配することが求められ、農耕による生産革命が起き、
大きな還流サイクルが寸断されてしまいました。都市化は砂漠化であり、現代の
中国の大気汚染、住環境の劣化、山や森、河川、そして海から大気となって大きく
めぐる還流サイクルが寸断され、淀んでいます。

ある意味で、現在起きている様々な異常気象、自然災害はこのような自然環境
破壊による揺り戻し、自然が自浄作用を起こしているのかもしれません。50年、
100年くらいのスパンでは見えないものが多々あるのではないでしょうか?
 ……

※続きはこちらから:http://e-trans.d2.r-cms.jp/kantou2/

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【2】 TPT 第206号から 注目記事 [Alumni編集室から]
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「ヨーロッパ文明の死?」  
 施 光恒(せ・てるひさ)九州大学大学院比較社会文化研究院准教授法学博士 

日本の実質上の「移民国家化」が着々と進められています。

最近は、現在の入国管理局を改組・拡大し、「入国在留管理庁」(仮称)を設置する
方針を政府が固めたという記事が各紙に出ていました。

「入国管理庁に格上げ 来年4月、人材受け入れに環境整備」
(『産経ニュース』2018年8月28日配信) 
https://www.sankei.com/politics/news/180828/plt1808280006-n1.html

去る六月に閣議決定された「骨太方針」で事実上、外国人労働者を大規模に受け入れる
ことが明記されました。介護や建設、農業といった分野に2025年までに50万人超を
受け入れるということです。

周知のとおり、欧州では1960年代頃から外国人労働者を受け入れ始めた結果、
治安の悪化や社会的分断など様々な社会問題が生じてきました。その先例に学ばず、
なぜ日本は愚かな後追いを始めるのでしょうか。

この流れ、自民党が進めている限り、簡単には止まらないでしょう。今秋の自民党の
総裁選でも、外国人単純労働者大規模受け入れの是非は争点に全くならないようです。

また、野党も、「リベラル=外国人労働者・移民受け入れに寛容であるべき」だと
思い込んでいるので、基本的に反対しないでしょう。

(骨太方針への懸念や「リベラル=外国人労働者・移民受け入れに寛容であるべき」と
いう図式のおかしさについては、少し前の産経のコラムで少しですが書きました。
下記のリンクをご覧ください)。
【国家を哲学する 施光恒の一筆両断】「外国人就労拡大 「国民の安寧」への打撃」
(『産経ニュース』2018年6月7日付)
https://www.sankei.com/region/news/180607/rgn1806070027-n1.html

外国人単純労働者大規模受け入れ推進派の論拠は、概ね「少子化で深刻な
人手不足に陥っているのだからしょうがないだろ」というもののようです。

上記の産経のコラムを書いた後、やはり産経新聞から、「ニッポンの議論」という欄で
外国人労働者受け入れ問題について賛否それぞれの意見を併記する記事を作るので、
反対派として出てくれと声がかかりました。

その際、賛成派がどのような議論を展開するのか、大いに関心があったのですが、期待
外れでした。下記のリンクを見ていただければわかるように、賛成派の毛受敏浩
(めんじゅ・としひろ)氏の論拠は、やはり「人手不足が深刻だから」だけでした。

【ニッポンの議論】「外国人労働者受け入れ
 毛受敏浩氏「人手不足深刻で必要」×施光恒氏「経済安定化に逆行」
(『産経ニュース』2018年7月29日付)
https://www.sankei.com/premium/news/180729/prm1807290014-n1.html

賛成派の他の論拠としてたまに耳にするのは、「ダイバーシティ」(多様性)のためだと
いうものです。例えば、経団連の中西宏明会長は、外国人労働者大規模受け入れが
必要だという理由は、人手不足以前に「ダイバーシティ」のためだと述べています。

経団連会長「外国人労働者受け入れ拡大を」
(『日テレNEWS 24』 2018年6月11日) 
http://www.news24.jp/articles/2018/06/11/06395597.html

賛成派が最低限しなければならないことは、日本が外国人単純労働者を大規模に
受け入れたとしても、欧州のように移民国家化しないこと、また移民国家化のため
欧州各国で生じた様々な社会問題から真剣に学び、こうした問題を日本では引き
起こさないということを、きちんと説明することだと思うのですが、賛成派でそうしている
人をみたことがありません。

外国人単純労働者受け入れ問題に関して、私が最近、講演などでよく触れる本が
あります。英国のジャーナリストであるダグラス・マレー氏が昨年出版し、同国で
ベストセラーになっている
『ヨーロッパの奇妙な死――移民、アイデンティティ、イスラム』という本です。
(Murray, D., The Strange Death of Europe:Immigration, Identity, Islam
(London: Bloomsbury Continuum, 2017))。

英国アマゾンのサイトでみると、昨日現在でレビューが702件もついており、平均値は
4.8です。英国人の非常に大きな支持を受けています。
https://www.amazon.co.uk/Strange-Death-Europe-Immigration-Identity/dp/1472958004/ 

この本、私は、中野剛志氏の新刊『日本の没落』(幻冬舎新書)で紹介されていたので
興味を持ち読んでみたのですが、衝撃的な内容です。(未邦訳ですが、中野さんの本
(特に第四章)で全体の概要が紹介されています。邦訳は、東洋経済新報社から
年末~年明け頃、出版される予定だそうです)。

著者のマレー氏は、ヨーロッパは、「自殺しつつある」と述べています。理由は、大規模な
移民の受け入れです。大規模に移民を受け入れてきたため、ヨーロッパ各国の
「国のかたち」は大きく変容してしまい、その文化的アイデンティティを喪失しつつある。
ヨーロッパ人は自分たちの故郷を、近い将来、失うと警告するのです。

マレー氏は、本書を次のような文章で始めています(中野さんの訳文をかなり拝借しています)。

「ヨーロッパは自殺しつつある。あるいは、少なくともヨーロッパの指導者たちはヨーロッパを
自殺に追い込むことに決めた」。

「私が言っている意味は、ヨーロッパとして知られる文明が自殺の過程に入っており、
イギリスであれ他の西ヨーロッパの国であれ、どの国も、同じ兆候と症状を示しているので、
この運命からは逃れられないということだ。結果として、現在生きているヨーロッパ人の
ほとんどの寿命が終わるころには、ヨーロッパはヨーロッパではないものになり、ヨーロッパの
人々は世界の中で故郷と呼べる唯一の場所を失っていることであろう」。 マレー氏の本では、
英国をはじめとするヨーロッパ諸国は、どの国の国民も自分たちの国を移民国家にすると
はっきりとは決めたわけではないのに、ずるずると取り返しのつかないところまで来てしまった
経緯が描かれています。

例えば、英国をはじめとするヨーロッパ各国で、もともとの国民
(典型的には白人のキリスト教徒)は、どんどん少数派になってきています。本書で
紹介されている数値をいくつかあげてみましょう。

2011年の英国の国勢調査によれば、ロンドンの住人のうち「白人の英国人」が
占める割合は44.9%とすでに半数を切っています。

また、ロンドンの33地区のうち23地区で白人は少数派に転落しています。ちなみに、
この数値を発表した英国の国家統計局のスポークスマンは、これはロンドンの
「ダイバーシティ」(多様性)の表れであると賞賛したそうです。 2014年に英国内で
生まれた赤ん坊の33%は、少なくとも両親のどちらかは移民です。オックスフォード
大学のある研究者の予測では、2060年までには英国全体でも「白人の英国人」は
少数派になると危惧されています。

英国民に占めるキリスト教徒の割合も、過去10年間で72%から59%と大幅に
減少し、2050年までには国民の三分の一まで減る見込みです。

他に、例えばスウェーデンでも今後30年以内に主要都市すべてでスウェーデン人
(スウェーデン系スウェーデン人)は少数派に転落するという予測もあります。

このように、外国人労働者の受け入れに端を発する移民国家化によって、
ヨーロッパ諸国は、民族構成や宗教や文化のあり方が大きく変容しつつあります。
正面から十分に国民の意思を問うたわけでもなく、いつの間にか、「国のかたち」が
なし崩し的に大きく変わってきてしまっています。その結果、ヨーロッパ文明は死に、
ヨーロッパ人はかけがえのない故郷を失うだろうと著者のマレーは警鐘を鳴らすのです。

こうしたヨーロッパ各国の状況は、外国人労働者の大量受け入れをほぼ決めて
しまった日本にとっても他人事ではありません。近い将来、『日本の奇妙な死』と
いう本がベストセラーになる日がこのままだと来るのではないでしょうか。

我々は、ヨーロッパの陥っている苦境から学ぶ必要が大いにあります。

追伸:マレーの『ヨーロッパの奇妙な死』については、『表現者クライテリオン』の
メルマガ(施担当分)でも異なる角度から少し触れています。そちらもご覧ください。

『表現者クライテリオン』 
http://amzn.asia/d/fGoIcLh

※全文はこちらから:http://e-trans.d2.r-cms.jp/alumni2/

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【3】日本翻訳協会からのお知らせ
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一般社団法人 日本翻訳協会  試験のご案内
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☆★☆日本翻訳協会の認定校のバベル翻訳大学院USA 修了生の方は
    2018年10月実施の各試験を受験料\3,000にて受験頂けます!! ☆★☆
(一般受験料:\5,400から)

*試験のお申し込みの際には必ず、
バベル翻訳大学院(USA)の「修了年度と専攻」を受験申請書の
「備考」欄に記載して下さい。
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<2018年10月20日実施>

1.第15回 翻訳プロジェクト・マネージャー資格上級試験
実施日:2018年10月20日(土)10:00~13:00(日本時間)
締切り:2018年10月16日(火)(日本時間)
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_tpm_2.html

2.「出版翻訳能力検定試験」
実施日:2018年10月20日(土)10:00~13:00(日本時間)
締切り:2018年10月16日(火)(日本時間)
1) 第20回 ヤングアダルト・児童書翻訳能力検定試験 
2) 第19回 エンターテインメント小説翻訳能力検定試験
3) 第14回 ロマンス小説翻訳能力検定試験 
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_publication_exam.html
 
3.ビジネス翻訳能力検定試験
実施日:2018年10月20日(土)10:00~12:00(日本時間)
締切り:2018年10月16日(火)(日本時間)
1) 第26回 医学・薬学翻訳能力検定試験(英日・日英)
2) 第26回 特許翻訳能力検定試験(英日・日英)
3) 第18回【日英】医学・薬学翻訳能力検定試験
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_business_exam-2.html

4.第17回フランス語翻訳能力検定試験
◆ノンフィクション分野
実施日:2018年10月20日(土) 10:00~13:00(日本時間)
締切り:2018年10月16日(火)(日本時間)
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_french_translation_exam.html

5.第17回 ドイツ語翻訳能力検定試験
◆ノンフィクション分野
実施日:2018年10月20日(土) 10:00~13:00(日本時間)
締切り:2018年10月16日(火)(日本時間)
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_german_translation_exam.html

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2018年10月9日発行 バベル翻訳大学院(USA) Alumni Service


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